体と心のどっちにここまで連れて来られたんだろう

私の体のほうが、空気を読んでくれてるんじゃないんだろうか。私の体が一番、私の本当の気持ちを理解してくれてるんじゃないだろうか。あるいは、私の体こそが「私、別に細胞分裂したくないよ。無理に引っ張り出さないで」と訴えてるのかもしれない。などと病院帰りに考えていた。

そんなことを思いながら治療を続けることは、罰当たりなのかもしれないよね。

産んで後悔するより、産まないで後悔するほうがずっとマシじゃない?だって産まなければ誰も巻き込まないんだから。こればっかりは「しない後悔よりする後悔」とは言えないでしょう。人の命がかかってるんだから。

私ひとりの問題ならとっくにやめてると思うけど、夫のことを思ったら、治療もせずに諦めるという選択肢はなかった。でも、ここまでやればもういいんじゃないか?ここまでやってできないならもうそれは天命じゃん?

できたらできたで運命だよなって思ってたし、当たり前すぎるけど責任持って育てるつもりだけど、できないのもできないで運命でしょう。

仕事の合間に病院に通うのは私。長い長い待ち時間にくたびれるのも私。毎日自己注射しなきゃいけないのも私。全身麻酔で身体の一部を取られて、痛みに耐えるのも私。そして妊娠するのも産むのも私なんだ。どうするかは私が決めていいだろ、どう考えても。夫も、私がやめたいと言えば止めないだろう。でも内心は悲しむはず。それがわかるから簡単じゃない。